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畜舎の一般的な消毒について

  • 投稿日:2016年10月25日

東京農工大学 農学部 共同獣医学科 獣医伝染病学研究室 

白井淳資 教授 

日本家畜衛生学会 理事長、日本獣医師会 産業動物獣医学会 副学会長 関東・東京獣医師会 産業動物獣医学会 学会長

 畜産業に於いて、口蹄疫(FMD)、高病原性鳥インフルエンザおよび豚コレラのような重要家畜伝染病の発生・蔓延は、食の安全に対する社会的不安から国内の消費が低迷し、わが国の畜産業に大打撃を与えかねない大変な脅威である。FMDや豚コレラなど重要家畜伝染病は国内に浸入しないよう、検疫により厳重に監視されているが、浸入した場合は早期発見と早期対応のみが被害を最小限に止める方法である。しかし、発生当初からこれらの疾病を特定することは難しく、ある程度蔓延した時点で発見される場合が多い。このようなことから、個々の農家において畜舎の衛生管理を常に徹底し、また家畜の集まる家畜市場や食肉・食鳥処理場等での徹底した衛生管理はこれら疾病の蔓延を防止する重要な手段である。また、畜産現場においては、ワクチンが効きにくく発生の防止が難しい、豚繁殖・呼吸器症候群、パスツレラ菌やマイコプラズマなどに起因する子豚や子牛の呼吸器障害、子牛や子豚のコロナウイルスおよびロタウイルス感染症などの下痢症が生産現場に多大の損害を与えている。これらの疾病に対する徹底した衛生管理のためには、病原体の浸入防止や病原体の消滅のための徹底した消毒作業が必須となる。消毒とは、微生物による感染を防止する目的で、病原微生物の全てを殺滅、あるいは感染力を失活させる操作のことである。消毒の方法は様々であるが、畜産現場においては、畜舎内外など家畜の飼養環境に散布したり、用具を浸漬したりして、疾病の発生防止に備えたり、疾病発生時の感染広がりを防止する目的で使用する。消毒薬の種類は様々であり、適切な消毒効果を得るためには消毒対象となる病原微生物の種類、環境要因の変化による消毒効果への影響、さらには消毒薬の副作用などを考慮しつつ使用する必要がある。表1に、家畜衛生分野で、薬事法で消毒薬として承認され、一般に使用されている主な消毒薬を記しておく。

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上記消毒薬の主要なものについて、その特性と作用機序および欠点について以下に記載する。

a. アルコール

 水の存在下において、細菌の細胞壁を通過して細胞膜を変性させ、また細胞内に入って蛋白を変性させる消毒薬。他の消毒薬に比べて即効性で、毒性も少ない。皮膚や手術器具の消毒に用いられ、比較的安価であるが、芽胞に対しては無効である。代表的なものとして、エタノールやイソプロパノールがある。

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b. イオン系表面活性物質

①逆性石鹸 陽電荷を持つ原子団が病原体の細胞壁を通過して細胞膜に結合し、細胞膜や細胞質内の酵素を変性させる消毒薬で、皮膚刺激性や毒性が低く、安価であり、手指や器具の消毒として用いられている。欠点として、グラム陰性菌には効果が低く、またウイルスや芽胞には無効と言われており、有機物の存在下では著しく効果が低下することが挙げられる。殺菌効果はアルカリ性で強いが、酸性では弱い。代表的な消毒薬は、塩化ベンザルコニウムである。

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②両イオン系界面活性剤 陽イオンと陰イオンの両方を荷電する界面活性剤で、陽イオンの殺菌効果と陰イオンの洗浄力を有している。芽胞菌には無効であるが、栄養型細菌には効果があり、結核菌にも有効である。逆性石鹸と同様、皮膚・粘膜の刺激性や毒性が少ないが、酸性・アルカリ性の条件下で効力が低下する欠点がある。代表的な消毒薬として、アルキルジアミノエチルグリシンが挙げられる。

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c. ハロゲン系消毒薬

 消毒薬として用いるハロゲンは塩素とヨウ素であり、いずれもその酸化力によって細菌を死滅させ、ウイルスや芽胞を含む全ての病原菌に有効である。殺菌力は温度の上昇、有機物混入およびアルカリ条件下で極めて弱くなる。代表的な消毒薬として、次亜塩素酸ナトリウムやヨードホールがある。

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d. フェノール誘導体

 フェノール自体は消毒薬として用いられなくなっているが、その誘導体は現在でも有用な消毒薬が多い。作用機序は、細胞壁の破壊と細胞質蛋白の変性である。フェノールは分子型で作用するため、酸性であるほど効果が強く、アルカリ性では効果が落ちる。一方、フェノール誘導体は、一般に酸性が強くなると分解されるため効果が落ちてくる。そのため、フェノール誘導体は中性付近だけで用いられる。グラム陰性・陽性菌の両方に有効だが、ウイルスに対して効果が低く、芽胞に対しては無効である。

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e. アルデヒド系消毒薬

 滅菌薬として用いられ、全ての微生物に対して完全な殺滅作用が期待できる。蛋白や核酸のNH2、SH、プリン環内Nをアルキル化することにより作用する。芽胞に対しても有効であるが、速効的ではないこと、発がん性があることが欠点である。代表的な消毒薬として、ホルマリンや酸化エチレン、グルタラールがある。

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 これら消毒薬がそれぞれの病原体に対し、どの程度の効果を示すのか、その有効性について下記の図に示した。

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 ハロゲン系消毒薬の塩素剤および沃素剤は全ての病原体に対して、消毒効果を示す。そのようなことから、不明疾病の発生や重要伝染病の発生に際しては、塩素剤が使用されることが多い。アルデヒド系消毒薬のホルマリンは、全ての病原体に対し、消毒効果を示すが、発がん性が認められていることから、使用に際しては様々な規制を受けている。フェノールや逆性石鹸は芽胞菌に対して効果が無く、またエンベロープの無い小型ウイルス(サーコウイルス、口蹄疫ウイルス、パルボウイルスなど)に対して効果を示さない。逆性石鹸は抗酸菌に対しても効果を示さず、消毒薬として使用範囲が限定されている印象を受けるが、アルカリ化することにより、強力な消毒効果を示し、芽胞を除いて、今まで効果を示さなかったエンベロープの無い小型ウイルスや抗酸菌に対して効果を示すようになることが知られている。過酸化水素水や水酸化ナトリウムは全ての病原体に対して、消毒効果を示すが、劇薬であるので取り扱いに厳重な注意が必要である。過酢酸が全ての病原体に対して、高い消毒効果を示しているが、金属に対する腐食性が高い。

次に消毒薬で消毒を行う際、消毒薬の消毒効果に影響する次の要因を考慮に入れて消毒を行う必要がある。

消毒薬効果に影響する要因

a. 温度 消毒薬の殺菌力は、一般的に温度の上昇に伴い高まり、低温下で殺菌力が減弱する。しかし、ハロゲン系消毒薬である塩素系や沃素系消毒薬は、温度の上昇によって蒸散するため殺菌効果が低下してしまうことがある。

b. 濃度 多くの消毒薬は濃度に比例して殺菌速度が速くなる。ホルマリンや塩素では濃度に比例して殺菌速度が速くなり、陽性イオン系では濃度の2乗に、フェノール系では濃度の5乗に比例して殺菌速度が速くなる。 c. pH 消毒薬の多くは電解質であるため、原則として分子型では有効だが、イオン型では無効である。ゆえに、塩基性物質は酸性での効力が低く、酸性物質はアルカリ性になると効力が低下する。また、アルコールやホルマリンのような中性物質はpHの影響を受けにくい。 d. 有機物質 消毒薬や反応性の強い物質であるため、血清や汚物といった有機物質の影響を受け、有機物の存在下において消毒薬の効果が低下する。その中でもフェノール系の薬物は影響が少ない消毒薬として知られている。 このように、消毒薬の効果には様々な要因が影響し、効果的な作用条件、皮膚・粘膜の刺激性や毒性、臭いの有無といった差異がある。また、消毒薬はそれぞれ作用する微生物の範囲、スペクトルが決まっているため、適切な消毒効果を得るためには、対象とする病原微生物を明らかにし、その上で消毒薬の種類や使用方法を厳密に守って使用することが望ましい。その一方で、畜産現場において望まれる消毒薬の条件は、動物や人に対して安全であり、広範囲の病原微生物に対して有効で、反応時間が短く、使用方法が単純であり、安価かつ費用対効果(コストパフォーマンス)が高いものが求められている。

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